ヒレアシ好きのあなたをきっと満足させることができる、現役飼育係が独断と偏見で選んだ、ちょっとマニアなおすすめ施設Best3をご紹介します。
3位 オホーツクとっかりセンター
いきなりマニア向けな施設のご紹介になりますが、ここだけは何としてもご紹介したい!というわけで第3位にランクインです。
なぜなら、ここは日本で唯一のアザラシの保護施設だからです。
母親とはぐれた幼獣や、定置網で混獲されて怪我をした成獣など、様々な理由で保護された野生のアザラシを飼育管理するだけでなく、その後の野生復帰もおこなっています。
応援したくなりますね!
特にあのフワフワの白い幼獣が、保護当時は痩せ細っていたのに、元気に丸々と太って海に帰っていく、そんな記事を見ると胸がキュンとなってしまいます…(涙)
とっかりセンターのような野生動物の保護センターは、施設の性格上、非公開だったり、ものすごーく地味だったりすることが多いです。
しかし、ここでは砕氷船ガリンコ号に乗って楽しむ流氷クルーズや、モンゴル移動式住居「ゲル」に泊まって手ぶらキャンプもできる「ゲルキャンもんべつ」があります。
これなら子どもと一緒に楽しめそう…!というわけで次の家族旅行先はここに決まりです!!(笑)
なお流氷クルーズなどは天候や気温などの影響を受けますので、詳細は以下の公式HPにてご確認くださいね。
https://o-tower.co.jp/tokkaricenter.html
2位 鴨川シーワールド
シャチでイルカなどの鯨類で有名な鴨川シーワールドですが、鰭脚類の飼育種数は約10種と多めです。
そしてここにはセイウチを愛してやまない、名物館長の荒井一利さんがいます。
「海獣図鑑(文溪堂,2010年3月発刊)」の著者のお一人です。
特にセイウチファンの方にはおすすめの施設で、展示場にはセイウチ4頭が飼育されており、巨体が近すぎてガラス面から肉しか見えないこともあるぐらい、迫力満点。
そして、個体数が多いためか、それとも時期的なものなのかはわかりませんが、セイウチの鳴き声を頻繁に聞くことができました。展示プールの上が開放になっているので、鳴き声が聞きやすいのもポイントですね。
生のセイウチの声、よかったです〜
荒井館長の鰭脚類への愛がこもった掲載記事がありますので、ぜひご一読ください。
セイウチ館長/荒井一利の「アイ ♡ 鰭脚」
http://www.doubutsu-no-kuni.net/?cat=13
1位 鳥羽水族館
言わずもがな、飼育生物の種数が日本一(1200種類)の水族館です。
ジュゴンは国内ではここでしか見ることができませんし、ラッコは国内の飼育頭数がわずか3頭となる中、飼育40年周年(2023年10月時点)をむかえ、長年飼育を継続しています。
しかし、鳥羽水族館がすごいのは飼育数だけではありません。
鰭脚類においても飼育頭数は日本一を誇りますが、繁殖や研究にも力を注いでおり、日本の飼育下の鰭脚類を支えるリーダー的存在でもあります。
トレーニングの質の高さもさることながら、繁殖を目的にした他園館間との個体交換や、大学との共同研究、論文発表なども積極的におこなっています。
特に海牛類のジュゴンやナマティーでは世界的にみても長寿で有名です。飼育管理がしっかりしている証拠ですね。
ジュゴンの「セレナ」は飼育35年(2022年4月時点)。びっくりするぐらい長生きですね!
しかし、もっと驚いたのは私が小さい頃に鳥羽水族館でラッコに餌をあげていたおじさん飼育係さんが、今も変わらずラッコに餌をあげていたことです(笑)。
飼育係も長年飼育(ベテラン)で、高い飼育技術が保たれているのでしょうね笑