R6年能登半島地震の影響で閉館している、のとじま水族館からジンベエザメの死亡のリリースがされました。
水族館のスタッフさんの方々も過酷な環境の中、短文ではありますが9日に公式HPにてリリースがあったのです。
ジンベエザメの「ハチベエ」
死亡したのは、オスのジンベエザメの「ハチベエ」。2022年9月28日にのとじま水族館に来園しました。七尾市庵町の定置網に入網していた個体で、当時の体長は約3.9m。リリース時の2024年1月には、約4.6メートルにまで成長していました。
ジンベイザメ「ハチベエ」の死因
一般的にジンベエザメは環境の変化に弱いとされています。
(略)地震発生から数時間たった1日夜、水槽の水位が半分以下になっていることに職員が気付き、海水を注入。6日夕に通常の水位約6・2メートルまで回復した。
だが、4日朝には水槽の海水を濾過(ろか)する設備が壊れていることも判明。水温も17度と通常の25度と比べて下がっており、飼育環境が悪化していた。
朝日デジタル 能登半島地震で被災した水族館のジンベエザメ死ぬ 環境悪化原因か 2024年1月9日 19時03分より引用
記事によると、地震の影響によるジンベエザメ水槽の水量低下、ろ過装置の故障による水質低下、さらには水温の低下などの悪条件が重なってしまったようです。これらの急激な変化に「ハチベエ」は耐えられなかったのではないかと考えられます。
もう一頭のジンベエザメ、「ハク」
施設がすぐに復旧する見込みがないと推察される中、残る一頭のジンベエザメの状態が心配です。死亡した「ハチベエ」と同時に来園した「ハク」です。
「ハク」はメスで羽咋郡志賀町百浦の定置網に入網していた個体です。当時は体長4.1メートル。現在はもっと成長しているでしょう。ハクの無事を祈るばかりです。
*追記* 残念ながらハチベエに続いて「ハク」も死亡しました。詳細はこちら。
のとじま水族館ではジンベエザメが海に放流されてきた
のとじま水族館では、ジンベエザメが成長すると水槽が小さくなりすぎるため、定期的に飼育個体を海に放流し、新たな個体と入れ替えてきました。「ハチベエ」と「ハク」は、飼育してきたジンベエザメの中では8番目と9番目になります。
大型のジンベエザメを受け入れられる水槽を備えた水族館には限りがありますから、「ジンベエザメを海洋に放流するのも一つの選択肢では?」と考えてしまいました。
しかし、冷静に考えるとそう簡単ではないことがわかります。この状況下で人員や機材、船舶の確保をすることが難しいだけでなく、冬の能登沖は放流に適した環境とは言い難い。ましてや長い間、水槽で飼育されていた個体となるとなおさらです…。
となると、1日も早いライフラインと設備の復旧を願うしかありません。
まとめ
のとじま水族館のジンベエザメ、「ハチベエ」が死亡に関する情報をまとめました。もう一頭の「ハク」の状況も心配です。しかし、この瞬間も水族館で動物たちのために奮闘しているであろうスタッフの皆さまの無事が、何よりも気がかりです。
のとじま水族館の皆さん。皆さんが倒れてしまったら、生き残った動物たちも元気に生きていけません。どうか、自分の体も大切に、無事でいてください。
現状では寄付ぐらいしかできなくて、本当に歯がゆいです
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